懐かしの名作ドラマ 「前略おふくろ様」 DVD


私は脚本家、倉本聰さんの大ファンです。当時はDVDなどの便利なものはなくて、好きな倉本さんのTVドラマを何度も見る事ができませんでした。
でも、倉本聰さんは自分のシナリオ全集を出版されていたので、そのシナリオ本をかなり買って読んだものです。(このシナリオ集をアメリカに持ってきて今でも愛読しています)
最近、たまたま寄った日本のビデオ屋さんで倉本さんの名作「前略おふくろ様」のDVDを見つけて、嬉しさのあまり衝動買いしてしまいました。
「前略おふくろ様」は36年前のTVドラマですが、今、観てもまったく古さを感じる事なく、むしろ昔見ていた時よりも新鮮で、より深いものを感じたりしてかなり楽しみました。
主演のサブちゃん(萩原健一)をはじめ、このドラマに登場するすべてのキャラクターがとても魅力的です。皆、弱くって、強がって、時にはずるくて、無責任で、勝手に人の生活にづかづかと入り込んでくる・・・でも皆、気持ち(心)が優しくって、お人好しで、人情深い人々です。
登場人物の中で私は特に海ちゃん(桃井かおり)に、なぜか惹かれてしまいます。海ちゃんはむちゃくちゃ無責任で自分の事しか考えず、人騒がせ・・・。ドラマの中で遠い親戚のサブちゃんが、海ちゃんの無責任にたまりかねてお説教をしている場面がありました。

海 : 「お兄ちゃんは神様?」

サブ : 「それはいったいどういう意味ですか?」

海 : 「何でもできちゃうみたいだからさ」

サブ。その顔に怒りが吹き上げる。

海 : 「海は人だから — うまくいかないよ」

中略

サブ語り

「オレは神様でも何でもなく、人に説教などする資格はなく・・・」

迷惑を被ったサブちゃんからすると、海ちゃんのような無責任な人に抗議のお説教をする事は当然で、偉そうな事を言って自分自身を正当化しようとします。(私も自分より立場の弱い人に対してすぐに説教をしたがる傾向にあります・・・汗)
倉本聰さんの作品は情けなくて、弱い人間にやたらとこだわりますね。これって、神様の視点に近いと思うのです。
聖書には『人をさばくな。自分がさばかれないためである。あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのだ』とあります。
懐かしの名作ドラマ、「前略おふくろ様」を観ながら懺悔の日々です。
マダム

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