ザ・チェックリスト・マニフェスト

The Checklist Manifesto- how to get things right
先月、眼の手術をしました。加齢にともない誰もがする、ごく一般的で簡単な眼の手術だと伺っていたのですが、私の場合、手術はうまくいかず、翌日に別の病院で、他のドクター(執刀医)により緊急の再手術を受けました。
何が原因で私の受けた手術が失敗したのかは知る由もありませんが、外科医/ジャーナリストのアトゥール・ガワンデ先生(Atul Gawande)が提唱している医療現場に於けるチェックリストの記事が、ある意味でとても参考になりました。
アトゥール・ガワンデ先生が書れた ”ザ・チェックリスト・マニフェスト(The Checklist Manifesto: How to Get Things Right by Atul Gawande)”と言う本の内容は、確認・検討を要する事項を列挙した表(照合表)、いわゆるチェックリストを用いる事で、医療事故を大幅に減少させる事ができるそうです。
原理は3つの静止ポイント(麻酔前、切開前、手術室を出る前)を持つ事で、そのポイントで手術チームが基本事項をチェックすればよいと言う事だそうです。
チェックの内容は最初に患者の名前を確認する事、最後に手術の針やスポンジがすべてある事等を確認する事。このチェックリストを用い、静止ポイントを持つ事で、かなりの医療事故が減ったようです。
そして、このアトゥール・ガワンデ先生の提唱は、外科医のみならず、いろいろな仕事の現場で活用できるので、ガワンデ先生のセミナーはとても盛況のようです。
外科医のみならず医療現場と言うのは、本当に忙しすぎるくらい忙しく、ともすると少しでも早く処理をしようとして、ミスが起きないとも限りません。日本の故事に「急がば回れ」とありますように、急いでいるときほど、あえて遅くする必要があるようです。
「急がば回れ」で思い出したのですが、私の住んでいるロサンゼルス郊外では、ある時から住宅街の道路に段差(Bump)をつけ始めました。私はこの段差が嫌いで、あえて段差のない道路を選んで走るようにしています。なぜなら、段差があるたびにブレーキを踏んで、制限速度よりもかなり速度を落として、道路を走らなければならないからです。
安全、騒音などの理由で道路上に段差(Bump)をつけ車の走行を無理矢理遅くする事によって、住宅地での事故が減ったのかもしれません。「初めから道路標識に書いてある低速で走れば、こんな無駄な事をする必要がないじゃないの!」と思ってみても、人間はそう易々とは実行出来ないようです。
人は、時には全力で走り、またある時には静止する必要があるようです。だから、聖書には、6日働いて(走る)、7日目には休む(静止する)事を、神様は初めから提唱されているのでしょう。それでも、私は『今日は休みだから、何々しなきゃ!』とか思って、忙しくしてしまうのです(汗)。
制限速度を守るように、神様が備えて下さった段差(Bump)とゆう「安息の日」を守らないと、やがては大きなミスを起こしてしまうのかもしれません。神様の言う事は聞かないといけませんね。
マダム

神は第7日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終わって第7日に休まれた。神はその第7日を祝福して、これを聖別された。 旧約聖書 創世記1:2〜3